横山光輝三国志、天才漫画家の後期ライフワーク
こんにちは。
Detch UP!!です、こんにちは。
今日は「横山光輝三国志(1991-1992)」の魅力を、お伝えします。
不朽の名作漫画、「横山光輝三国志」の正統なアニメ化作品
巨匠横山光輝先生の大ヒット漫画「三国志」の、正統アニメ化作品です。
原作漫画は、初版コミックス版で全60巻と膨大な巻数があります。
そして、劉備、曹操、孫権が死に、諸葛亮公明も死に、劉備の建国した蜀という国の皇帝が劉備の子の劉禅に移り、劉禅が降伏して蜀という国が無くなる所まで。
を描いています。
ちなみに、漫画版最後に1コマ(それも小さいコマ)で、孫権の孫、孫コウも晋に下って中国が司馬氏によって統一される描写があります。
しかし、物語の中心は、あくまで劉備と、劉備が作った蜀という国という描かれ方です。
アニメ版の三国志では、始まりは原作と同じ「黄巾の乱」から始まり、三国志最大の見せ場「赤壁の戦い」までを描いて、物語が終わります。
原作漫画では、中盤のあたりですね。
また、アニメという枠組みの都合か、原作漫画以上に劉備に絡みの無い他登場人物の衰退などが、ナレーションなどで一瞬で片づけられています。
ただ、呂布の末路や、諸葛孔明の若い時のエピソードなど、原作よりも細かかったり、原作を補足するような内容もあります。
アニメ版だけでは、劉備以外の登場人物の勢力版図の推移など、細かい動きが見えにくいです。
(ボーっとしてると、一瞬のナレーションで国が一つ滅んでたりします。)
原作漫画と見比べて、相違点などを感じて見るのも、楽しみ方の一つです。
天才漫画家の後期のライフワークは歴史、大河漫画だった
横山光輝先生は、生涯で多岐に渡る様々な作品を書いた漫画家で、たくさんのヒットを出しています。
まず初期の大ヒット作に、「魔法使いサリー」があります。
赤塚不二夫先生の「秘密のアッコちゃん」と並んで、魔法少女モノの走りというべき作品です。
サリー執筆当時の横山光輝先生は「少女漫画家」という肩書が似合う執筆内容のものが多く、サリーも少女向けの雑誌に連載されていたと思います。
次にスーパーロボット漫画家としてのヒットがあります。
「鉄人28号」「ジャイアント・ロボ」は、いずれも今も人気があるほどの作品です。
ちなみに、鉄人28号を執筆している際に、横山光輝先生は「ロボットもので描くことは、もうやりきった」的な発言をして、当時出版社などからの連載引き延ばしのオファーをあっさり断って、作家としての次のステージに進んでいかれます。
スーパー・ロボット漫画家としても大ヒットを収めてから、次の作品群は「忍者もの」があります。
(「時の行者」なんて漫画もありました。)
どちらもヒットしました。
他メディアでのリメイクや、ネタ的にパクられた回数などで、最近は赤影が一番知名度はあるかもしれません。
忍者漫画を描かれていた頃は、フィクション世界を描く、オリジナルの作品群ですが、その後歴史、大河漫画の世界に創作スタイルを変えて進んでいくのを予感させるものがあります。
そして、後期のライフワークになる、歴史、大河漫画の執筆が始まります。
大ヒット作、「水滸伝」「三国志」(「項羽と劉邦」も、挙げてもいいのかもしれませんね)と、晩年の「史記」は、いずれも中国の歴史ものです。
ただ、歴史漫画を描き始めた最初の頃の作品群は、実は日本史が多いです。
「徳川家康」とか、「武田信玄」とか、そういった日本の歴史系です。
これら日本の歴史ものは、山岡荘八先生の小説を原作にした作品群になります。
漫画の原作小説と、日本から中国への変遷
作品の対象が中国大陸の歴史ものに移ったと思われるのが、「三国志」ではないでしょうか。
三国志は、物語は中国の史実に基づいたお話しですが、横山光輝三国志の原作は日本の小説です。
物語劉序盤の劉備初登場のシーンから、吉川英治三国志のかなり忠実な漫画化がなされているのが漫画版、アニメ版の「横山光輝三国志」という事になります。
原作小説も併せて読むと、漫画やアニメの描写でスポットが大きく当たっていない細かい描写などが見えるシーンが色々あります。
物語の世界が、より奥深く見えてくるでしょう。
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